ドゥテルテ氏とは?
フィリピン大統領選挙で南部ダバオ市長、ロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)が当選確実となった。10日夜の選挙管理委員会の非公式集計(開票率約94%)で約1570万票を得て、約954万票のマヌエル・ロハス前内務自治相(58)らに大差をつけた。外交経験がなく、米トランプ氏のような奔放な発言が目立ち、中国などと領有権を争う南シナ海問題での立ち位置も一貫しない。現政権の「親米反中」路線を変えるのか、中国、米国は注視する。
ドゥテルテ氏当確、比大統領選 トランプ氏張り発言人気
「南シナ海の中国の人工島に水上バイクで行って旗を立てる。撃たれれば国民は涙を流し、私は英雄になる」。選挙戦終盤の討論会でドゥテルテ氏はこう述べ、喝采を浴びた。
しかし、南シナ海問題ではそれまで「中国と対話する」と話していた。投票直後の9日の会見では「日本や米国を招いた多国間対話を提唱する」と語った。首尾一貫しない発言を、政治アナリストは「変革の期待を背負う新大統領として、現政権とは違うアプローチを模索している」とみる。