フランス検察当局は12日、日本の銀行口座から、国際陸上競技連盟のラミン・ディアク前会長の息子が関連するシンガポールの会社の口座に、約280万シンガポールドル(約2億2300万円)の送金があったことを把握したと発表した。予審判事の指揮の下、2020年の東京五輪招致を巡る不正が行われた可能性があるとみて、捜査を進めていく。
東京五輪招致巡り裏金報道 英紙「1.6億円支払い」
声明によると、振り込み時期は13年7月と10月で、「2020年東京五輪招致活動」との名目が記されていたという。これは東京五輪開催が決まった13年9月の国際オリンピック委員会(IOC)ブエノスアイレス総会の前後にあたる。
ディアク前会長はこの時期、古参のIOC委員で、総会で五輪開催都市を決める投票権を持つとともに、他の委員の票を取りまとめる一定の影響力もあった。