しばらく前に張家口市崇礼区太子城で気温がマイナス40度まで下がった。練習を続ける多くの選手の顔や手に凍傷が生じる緊急事態になり、支援が必要となった。「テクノロジー冬季五輪」プロジェクトチームの科学研究者で、天津工業大学紡績科学・工程学院の劉皓教授は直ちにプロジェクトチームを組織し、リサーチと技術開発を行った。プロジェクトチームの技術の優位性を利用し関連企業と協力し、冬季五輪選手に向け速やかに167双の加熱手袋、450個の加熱ヘルメットを生産した。自ら車を400キロメートル近く運転し、順調に手袋を冬季五輪のスタッフに届けた。科技日報が伝えた。
適切な保温生地、加熱部品、リチウム電池を選び、温度制御モジュールと携帯アプリを設計することで、服、手袋、ヘルメットがスマートに加熱できるようになる。極寒の中で4、5時間過ごしても寒さを感じない。中国の選手やボランティアは2022年北京冬季五輪で、このような加熱服を支給される。
加熱服は電気加熱服、太陽光加熱服、化学エネルギー加熱服、相転移材料加熱服、温度自動適応加熱服(スマート加熱服)などに分かれる。太陽光蓄熱材料により太陽放射の可視光と近赤外線を吸収し人体に熱を反射する、化学反応によって生まれた熱もしくは相転移材料蓄熱を利用し保温する場合も、適用範囲が狭く温度を制御できないといった欠点が存在する。
劉氏は「温度モニタリングとスマート温度制御モジュールの応用により、正確な温度制御を行う電気加熱服を作ることで、現在の加熱服の使用の需要を満たすことができる。今回生産した加熱手袋と加熱マスクは、手袋とマスクの中に電気加熱フィルムを集積し、コントローラーによりこれをリチウム電池とつなぐ。手袋のリチウム電池の容量は3300mAで、重さは約100グラム。1回の充電で通常4、5時間の加熱効果を発揮する。手袋とマスクには専門的なバッテリーケースがあり、選手の着用の快適性を損なわない」と説明した。
研究チームはさらに硬貨サイズの加熱温度制御モジュール、加熱織物、温度制御アプリを開発した。このスマート加熱織物は衣服の中に集積され、ボタン操作やアプリによるスマートな操作を同時にサポートする。選手はアプリにより、加熱服の温度を自由に調節できるようになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年1月26日