名古屋地裁
名古屋市のアパートで森外茂子(ともこ)さん(当時77)を殺害したほか、高校時代には同級生2人に硫酸タリウムを飲ませるなどしたとして、殺人や殺人未遂など七つの罪に問われた元少女(21)の裁判員裁判の論告求刑公判が10日、名古屋地裁であった。検察側は「2年半の間に6人の被害者に残虐な犯行を繰り返した。生涯にわたって償うことが必要」として無期懲役を求刑した。判決言い渡しは24日の予定。
検察側の論告などによると、元少女は16歳の高校2年生だった12年5~7月、中学時代の同級生女性(21)と、高校の同級生男性(21)の飲み物にタリウムを混入して飲ませ、殺害しようとしたほか、19歳の大学1年生だった14年12月には森さんを殺害。また同月には仙台市内の民家に火を付けて住人3人を殺害しようとしたとされる。
争点の一つは、元少女の刑事責任能力の有無で、検察側は「精神障害の影響は限定的で完全責任能力があった」、弁護側は「発達障害と精神障害の躁(そう)状態が重なり、犯行に影響を与えた。責任能力がなく無罪」とそれぞれ主張している。
また、元少女はタリウム事件について「観察目的だった」と供述し、殺意を否認している。