社民党の吉田忠智党首が、憲法学者で政治団体「国民怒りの声」を設立した小林節・慶応大名誉教授と12日夜に会談し、夏の参院選比例区での「統一名簿」を呼び掛けたが、断られていたことがわかった。党勢が低迷する社民にとって、統一名簿は打開策の一つだったが、民進党との合流検討も含めて見通しが立っていない。
関係者によると、吉田氏と又市征治幹事長が、小林氏に対し、社民の比例区候補が「国民怒りの声」の統一名簿に参加することを提案。だが小林氏は、小政党の救済には協力できないとして、断ったという。統一名簿は、野党各党の参院比例区候補が、一つの政治団体に名を連ねて選挙に臨む方式で、野党票の分散を防ぐ効果があるとされる。社民側は引き続き、小林氏側に連携を働きかける方針だ。
吉田氏は会談に先立つ12日の党会合で、統一名簿の可能性に加え、社民を解党した上で民進党との合流を検討する考えも示した。だが、民進の岡田克也代表は13日の会見で「党対党(の合流)は、参院選の前は考えにくい」と述べた。統一名簿や民進との合流が実現しなければ、社民は参院選で独自の戦いを迫られるため、党内からは「党首落選も現実味を帯びる」との声があがる。社民の国会議員は5人で、うち参院の吉田氏と福島瑞穂副党首が参院選比例区で改選を迎える。2013年の参院選は、獲得議席が1議席にとどまっている。(高橋健次郎、藤原慎一)