(6日、プロ野球交流戦・広島4―3日本ハム)
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広島にとって今季3度目のサヨナラ勝ち。呼び込んだのは若い力だ。
1点を追う八回、2年目右腕のアドゥワがマウンドに上がる。5月30日にプロ初勝利を挙げた愛媛・松山聖陵高出身の19歳は、4番中田を真っすぐで左飛、5番レアードは大きなカーブで三ゴロと、3球ずつでアウトに。石井一は空振り三振に切ってとった。
九回、ベンチが送り出したのは、おかやま山陽高出身の4年目藤井皓だ。5月25日に1軍登録され、今季4試合目。「0点で(中継ぎ)投手陣がつないで来ていたことは考えなかった。出来ることをしっかりやるだけ」と覚悟を決めた。
直球に加えて持ち味のフォークもさえ、2三振を含む三者凡退。プロ初勝利を手にすると、初めてお立ち台に立ち、ヒーローインタビューを受けた。「緊張した。投げるほうが良かったですね」と21歳らしくはにかんだ。
3連覇に挑むチームは頭ひとつ抜け出して交流戦に突入。だが、2カード連続で負け越した。大きな原因は投手陣にある。先発も、中継ぎも、四球を出して失点するという悪い癖が出ていた。試合前、交流戦でのチーム防御率は6・79で12球団ワーストだった。
だからこそ、緒方監督は攻撃のリズムを作ったこの日の中継ぎ陣を「しっかり頑張ってくれた」と絶賛。重かったチームの雰囲気を変える大きな1勝となった。(藤田絢子)
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守りのミスで日本ハムは痛い星を落とした。九回、抑えのトンキンは先頭を四球で歩かせる。続く鈴木の打球は自分の前へボテボテのゴロ。しかし、「指にかかってしまった」と一塁悪送球になり、ピンチを広げ、野間のサヨナラ安打へとつながった。「監督が悪い。ちゃんと教えてないからだ」と栗山監督も言葉少なだった。
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日本ハムの2年目左腕、堀が6日、今季初めて1軍に昇格した。故郷・広島での合流に「運がよかっただけです」とはにかむ。マツダスタジアムは広島新庄高3年の夏に投げたことがある。「僕らのときは決勝と開会式しか使っていなかった」と感慨深そうだった。2軍では先発要員だったが、1軍では中継ぎで起用される。「投げる場所は変わっても、気持ちは変わらない」と意気込んだ。