ダイキン工業とパナソニックは、空調事業の提携を広げる交渉を始めた。エアコンの開発などで協力しているが、近年は競合する製品が多くなり、関係は弱まっていた。新興国で販売を伸ばすために、再び協力することで一致した。空調の性能を左右する冷媒の共同開発などを協議している。
ダイキンは業務用が強く、空調製品で世界最大手だ。パナソニックは家庭用エアコンで国内トップで、海外に力を入れる。両社は成長市場の新興国で中国メーカーなどと競争している。各国の環境規制に合った冷媒の開発には費用や時間がかかるため、共同で取り組んで効率化をめざす。
1999年に包括提携した両社はダイキンは業務用、パナソニックは家庭用とすみ分けようとした。エアコンの開発会社をつくり部品の共同調達や一部製品の相手先への供給などをしてきた。2009年にパナソニックが大型空調を扱う三洋電機を買収したことで競合製品が増え、提携の縮小に向けた動きもあった。
両社でつくった会社「パナソニック・ダイキン空調開発センター」(滋賀県草津市)は、一時清算が検討された。今回の提携拡大で会社は維持される方向だ。(新宅あゆみ)