韓国環境省は16日、日産自動車が英国で製造し、韓国日産が輸入販売したスポーツ用多目的車(SUV)「キャシュカイ」について、排出ガス低減装置に不正が見つかったと発表した。キャシュカイは「デュアリス」の海外名。
同省は独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れ問題を受け、昨年12月から今年4月にかけて国内で販売されているディーゼル車20車種を調べていた。
同省によると、キャシュカイに搭載された窒素酸化物(NOx)の排出量を減らす「排出ガス再循環装置」について、エンジンが一定の温度を超えると停止する設定になっていた。同省は装置が作動すると燃費が悪くなるため、このような設定をしたのではないかとみている。ほかの19車種では、同様の問題は確認されなかったという。
韓国当局は韓国日産に対し、課徴金3・3億ウォン(約3千万円)を科すほか、販売済みの814台についてリコール(回収・無償修理)命令、在庫の車両については販売停止命令を出す方針。関連法令に違反しているとして、ソウル中央地検に韓国日産のトップを刑事告発するという。
日産自動車広報は「違法、不正な機能を使用したことはなく、現在も使用していない」と不正を否定している。(ソウル=東岡徹)