オニール八菜さん
バレエ界のアカデミー賞と言われるブノワ賞の受賞者が17日、モスクワで発表され、東京都出身でパリ・オペラ座バレエ団所属のオニール八菜(はな)さん(23)が女性ダンサー部門で受賞した。オニールさんはジプシーの娘役で主演した「パキータ」での演技が評価された。
オニールさんは母親が日本人。東京都世田谷区で生まれ、3歳でバレエを始めた。8歳で父親の国ニュージーランドに移住した。オーストラリアのバレエ学校で研鑽(けんさん)を積み、ローザンヌ国際バレエコンクールやユース・アメリカ・グランプリで1位を受賞。パリ・オペラ座ではシーズン契約を経て2013年に正式団員に。14年にはブルガリアのバルナ国際バレエコンクールでその年の最高賞だった銀賞を受けた。年に1度の昇進試験に着々と合格し、現在は最高位のエトワールに次ぐプルミエール・ダンスーズとして次々と主演を重ねている。
1992年に始まったブノワ賞は、各国のバレエ団で活躍するプロのダンサーや振付家から毎年選ばれ、世界的な振付家ユーリー・グリゴロービチさんが審査委員長を務めている。14年にはスウェーデン王立バレエ団の木田真理子さんが日本人として初めて受賞した。(藤崎昭子)