次女の鈴華さん(右)と2人で車中泊を続ける福田真理さん。化粧は車内の鏡を使って行う=8日、熊本県益城町、西畑志朗撮影
熊本県益城町で2度の震度7を観測してから1カ月が過ぎた。1千棟以上が全壊し、町内15の避難所には今も約3200人の住民が身を寄せる。そこから職場に向かう会社員らの疲れもピークに達している。
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熊本地震 災害時の生活情報
■熟睡できず・車内で化粧…
約300人が駐車場で車中泊を続ける益城町のグランメッセ熊本。町内のパート従業員福田真理さん(38)は毎朝5時ごろ、軽ワゴン車で目覚める。シートは硬く、朝日も差し込み、熟睡できない日が多い。
パンなどで軽い朝食を済ませ、小学3年の次女鈴華さん(8)を着替えさせる。車内で化粧をし、身支度を整えて午前9時。避難所から5分ほどのスーパーに車で出勤する。
近くの自宅は2度の揺れで傾き、地面と自宅が横ずれして約10センチの地割れができた。夫と中学生、高校生の子ども2人は家で休むが、鈴華さんは布団で眠るのを怖がり、真理さんも一緒に車中泊を続けている。
仕事を終えて避難所に戻ると、夕食を受け取るために行列に並ぶ。その後は近くの温泉施設に。眠りにつくのは午後10時ごろだ。
子どもの学費や部活動にかかる費用を稼ぐため、仕事を辞めるわけにはいかない。「疲れはたまる一方。いつまでこんな生活が続くのかと暗い気持ちになる。早く元通りの生活に戻りたい」と話す。