朝の通勤時間帯にあわせ、村上春樹さんの新刊「騎士団長殺し」が販売されていた=24日午前7時40分、東京都中央区、角野貴之撮影
村上春樹さん(68)の新作長編「騎士団長殺し」(2巻、新潮社)が24日、発売された。4年ぶりの新作とあって、都内の一部書店は開店時間を通常より早めたり、未明からイベントを開催したりし、村上さんのファンのハルキストたちは興奮に包まれた。
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JR東京駅前にある八重洲ブックセンター本店(東京都中央区)では、開店時間より2時間半早い午前7時半、入り口付近に用意した特設の台で、「第1部 顕(あらわ)れるイデア編」、「第2部 遷(うつ)ろうメタファー編」の2巻の販売を始め、通勤途中の会社員らが次々と買い求めていった。近くに勤める会社員永田智之さん(50)は「始業までの間に少しでも読みたいと思い、30分ほど早く出てきた。変わったタイトルに期待感が高まります」。
「騎士団長殺し」は、肖像画を得意とする無名の画家の「私」が主人公。妻に離婚を切り出された「私」は、住んでいた都心のマンションを離れて神奈川・小田原郊外の古い家で暮らし始める。屋根裏から見つかった絵は、何を意味するのか。「私」の前に現れた「免色(めんしき)」という珍しい名字の男の過去とは。そして、ふとしたことから見つかった古い井戸のような不気味な石室――。さまざまな謎をはらみながら、約1千ページの物語は進む。
一足早く午前0時から販売した…