行方不明になった機体と同型のエジプト航空エアバス320型機。今年3月にキプロスで撮影=ロイター
パリからカイロに向かっていたエジプト航空のエアバスA320型機(乗客56人、乗員10人)が19日未明(日本時間同日朝)、レーダーから消えた。海に墜落したとの見方も出ている。
同航空などによると、同機はパリを現地時間18日午後11時(日本時間19日午前6時)すぎに離陸。約3時間15分後にエジプト沿岸から約280キロ離れた地中海上空の高度1万1千メートル付近を飛行中に消息を絶ったという。エジプト領空に入った直後とみられる。
乗客の国籍はエジプト30人、フランス15人、英国1人など12カ国。日本人はいないもようだ。
エジプトでは昨年10月、東部シナイ半島のシャルムエルシェイクを離陸したロシア機(乗客・乗員224人)が同半島北部で墜落。過激派組織「イスラム国」(IS)が直後に犯行声明を出し、ロシア政府は機体に積まれていた爆発物によるテロだったと断定した。
エジプトの空港警備態勢の不備が指摘され、多数の航空会社がエジプトへの乗り入れを中止。治安当局筋による情報として空港の職員が爆発物の積載に協力したとの報道があったが、エジプト政府は否定している。
今年3月には北部アレクサンドリア発カイロ行きのエジプト航空機が乗客の男にハイジャックされ、キプロスに着陸した。テロとの関係はなかった。(カイロ=翁長忠雄)