エジプト中部のミニア県で被害に遭ったバス車内の様子。26日、同県が公表した=AP
エジプト中部ミニヤ県で26日、キリスト教の一派コプト教徒を乗せたバスが武装集団に襲撃された。政府系アハラム紙電子版は、地元知事の話として、28人が死亡し、23人が負傷したと伝えた。地元メディアは、死者に子どもが含まれているとしている。一行は隣県からミニヤ県内にある修道院へ向かう途中だったという。県都ミニヤは首都カイロから南へ約200キロ。コプト教徒が多く住んでいる。
今回の襲撃グループは約10人で、複数の車に分乗し、軍服のような姿でマスクをして銃を乱射したという。
犯行声明などは出ていないが、過激派組織「イスラム国」(IS)による犯行の可能性がある。エジプトでは昨年12月と今年4月に首都カイロ、北部のタンタとアレクサンドリアの教会で自爆テロがあり、計約70人が死亡。いずれもISが犯行声明を出し、さらに襲撃すると警告していた。エジプト政府は4月の襲撃後、国家非常事態を宣言し、警戒態勢を強めていた。(アルビル〈イラク北部〉=翁長忠雄)