イラン出身タレントのサヘル・ローズさん=東京都港区、仙波理撮影 3月8日は国際女性デー。女優のサヘル・ローズさんは「本能のままに自分の『色』をつくっていこう」と呼びかけます。 女性自ら性別に縛られすぎでは 春香クリスティーンさん 理想の相手、「私」を貫いたから出会えた ぺこさん 女の子を拘束する「呪い」、親が解かねば 駒崎弘樹さん ◇ ランドセルの色も、洋服も、将来の夢も。日本の社会や学校って、何でも「男の子用」「女の子用」を分けすぎです。 8歳の時に初めてイランから来日して、埼玉県の小学校に入学した時は「男子と女子が隣同士に座って勉強できるんだ」って驚いたんです。日本のことはテレビドラマの「おしん」でしか知らなかったし、イランでは男女別学が普通だったので「自由だなあ」と。 ところが、学校に通い、友達ができるうちに、逆に「なんで別々なんだろう」って不思議に思うことが増えました。「ランドセルは、なんで女子は赤、男子は黒なんだろう」。体操着のブルマーの独特の形を見た時には「え、なんで女子だけこの形? 普通のズボンじゃだめなの?」って。 将来の夢を聞くと、「お嫁さん」と答える女の子が多いのも意外でした。イランでは「お嫁さんになりたい」という子はあまりいない。女性に制約が多いからこそ、経済的に自立したいという気持ちが強いのか、「医者になりたい」「弁護士になりたい」という子が多かったですね。 日本の女の子たちは、教育や制度の上では自由でなんでもできるのに、ぶつかってでも欲しいものを取りに行くより前に、自分の思いをぐっとのみ込んで、自ら「一歩下がった場所」を選んでしまうことが多いように感じます。 私は「どんどん失敗していいから、自分の言葉をもっと、もっと口にして。本能のままに、もっとアクを出していいよ」と思います。「周囲がつくる女性像」に染まるのではなくて、「自分がつくる女性像」を生きてほしいです。 そんなわたしにも、「周囲がつくる女性像」の中で悩んだ時期はあります。高校生の時に芸能界に入り、外国人タレントの「その他大勢」という立場で仕事をしているうちに、「私、無色だな」と感じたんです。気をつかって、無意識のうちに周囲にあわせるようにしていました。 外見から「イロモノ」扱いされてきたけど、どうせなら、周囲がつけた「色」ではなくて、自分がつくった「色」に染まろうと、25歳の時に決意しました。 台本について意見を言ったり、やってみたい企画をこちらから提案をしたり。「女のくせに生意気だ」と思われるかと怖かったけれど、実際には、仕事仲間と新たなチームワークがうまれ、信頼関係も高まりました。周囲になじめず傷むこともありますが、「これは成長の痛みだ」と思うようにしています。 あこがれは、世界的モデルの山口小夜子さん(故人)。「外国人だから」でも「女性だから」でもなく、「個人」として仕事できるようになりたいです。 私には、仕事を頑張る理由があります。私の幼少期と同じように児童養護施設で暮らす女の子たち、そして、日本で暮らす外国籍の女の子の「道しるべ」でありたい、という思いです。 経済的に恵まれず、将来に夢を抱けない子。芸能界を目指したくても「男に利用されるのでは」と心配している子。そんな子たちが私を見て、「大丈夫」と安心してもらえるような存在でありたいです。 女の子であれ、男の子であれ、本能のままに。自分の「色」をつくっていこう。 わたしも、あなたも。(聞き手・市川美亜子) ◇ サヘル・ローズ 女優。1985年生まれ。家族を失い、養母とともに93年に来日し、日本の学校に通う。生活苦から一時は公園で暮らしたこともある。高校在学中からラジオ番組などで芸能活動を始める。「探検バクモン」(NHK総合)などにレギュラー出演中。 ■自分らしく生きるって? 投稿募集 女性に生まれたことを喜び、みんなで祝福したい。3月8日の国際女性デーに向けて、朝日新聞は新企画「Dear Girls」を始めました。紙面や朝日新聞デジタルで展開していきます。 自分らしく生きるってどういうこと? 日本の女性が自由に生きることを阻むものって? ご自身の思いや経験談、これから大人になる女の子たちへのメッセージ、関連画像などを自由にお寄せ下さい。紙面や「朝日新聞 Dear Girls」のフェイスブックページ、ツイッターで紹介します。 ツイッターやインスタグラムなどSNSでハッシュタグ「#女子だからって言わないで」もしくは「#女子にも言わせて」で投稿のほか、メール( deargirls@asahi.com )でお送りください。 |
外見でイロモノ扱いされたけど サヘル・ローズさん
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