ベンチスタートとなったエジプトのサラー(左)=関田航撮影
(15日、エジプト0―1ウルグアイ サッカー・ワールドカップ)
【特集】2018ワールドカップ
2018ワールドカップの日程・結果
キックオフ直前、エジプトのベンチにカメラマンが集まった。先発を外れたサラーが静かに座っている。
【試合詳報】エジプト―ウルグアイ
イングランド・プレミアリーグの今季得点王は欧州CL決勝で肩を痛めた。「無理をすれば、さらにけがをする可能性があった」。1次リーグ3戦を見渡して、クペル監督は温存を決めたと明かした。
抜群のスピードを持つエースの不在。その分、堅い守りから繰り出す速攻の切れ味は鈍った。パスを動かしてゴールに迫るものの、「いい内容だったが、フィニッシュが足りなかった」。クペル監督も敗戦を受け入れたような口ぶりだ。
28年ぶりのW杯初戦で、力を示したのも確かだ。
突出した選手はいないが、穴も見当たらない。整備された守りは90分をしのいで、勝ち点1に手をかけていた。後半44分の失点までゴールに鍵をかけたGKシェナウィは「できることはやった。残り2戦も監督の指示に従って、いいプレーをしたい」。
得意の速攻を完遂するには、サラーの復帰が必要だ。クペル監督は「残り2試合では、最高の調子を取り戻してくれると期待している」。26歳の誕生日をベンチで過ごしたエースにW杯初白星がかかる。(潮智史)