熊本を舞台に、熊本県出身の行定勲氏が監督を務め、県出身者が出演した短編映画「うつくしいひと」をチャリティー上映する動きが広がっている。福岡市でも23日に上映される。関係者は「地震前の熊本の風景を楽しみながら、熊本のことを考えてもらえたら」と話している。
「うつくしいひと」は上映時間39分。熊本に撮影場所を探しに訪れた映画監督と、若い女性の出会いと小さな旅を描いた物語。ふるさとの良さを広く知ってもらおうと、行定監督が県内の自治体などと実行委員会を立ち上げ、県と熊本朝日放送の協力で制作された。政治学者の姜尚中さんや、俳優の橋本愛さん、高良健吾さんら県出身者が出演。昨秋に熊本市や熊本県阿蘇市などで撮影した。
チャリティー上映は、4月25日に東京のテアトル新宿で行われたのが始まり。その後も上映を希望する映画館などから制作側に問い合わせがあるほか、地方の映画館などからなる一般社団法人「コミュニティシネマセンター」が交流のある全国の映画館などに声をかけてさらに広がった。すでに70を超える映画館や自主上映団体などでチャリティー上映が決まった。
入場料収入は全額または一部の経費を除き、実行委が熊本を支援する団体などへの寄付にあてる。センターの岩崎ゆう子事務局長は「長期的な支援につながるよう、息の長い活動をしていきたい」と話す。
実行委やセンターでは、映画館に限らず、趣旨に賛同する自主上映団体などでのチャリティー上映も受け付けている。問い合わせは、実行委(info@kumamotoeiga.com)やセンター(050・3535・1573)へ。福岡市でのチャリティー上映は、南区高宮3丁目の市男女共同参画推進センター・アミカスで。午後3時開演で、行定監督の舞台あいさつもある。(塩入彩)