オリバー・ストーン監督=コネティカット州マンスフィールド、杉山正撮影
オバマ米大統領の広島訪問を前に、映画監督のオリバー・ストーン氏ら米国のリベラル派の有識者ら74人が23日、オバマ氏に被爆者との面会を求める公開書簡を送った。
特集:オバマ米大統領、広島へ
マサチューセッツ工科大学のノーム・チョムスキー名誉教授やアメリカン大学のピーター・カズニック教授らが名を連ねている。
書簡では、被爆者との面会を切望。「私たちの多くは広島と長崎に行ったことがある。被爆者に会い、体験談を聞くことは私たちの世界的平和、軍縮活動に比類ない影響をもたらした」とした。さらに、「被爆者の苦しみを知ること。被爆者が、自らの悲惨な体験を二度と他の人間が味わうことがないようにと核廃絶に向けてきた努力を見ること。それは、誰もが核廃絶への決意を強くする貴重なものだ」と意義を強調した。
オバマ氏が「核兵器なき世界」を訴えた2009年のプラハ演説や、イランとの核合意について「意義深い」と評価。一方で「いまだ地球上では1万5千発以上の核兵器が人々を脅かしている」とし、「(オバマ氏が)大胆な行動を取れると信じている」と期待を寄せた。米国による核の新世代化計画の中止や、率先して核兵器を削減すること、核廃絶に向けロシアへ働きかけることを提案した。
また原爆投下の謝罪に加えて、その判断の是非にも言及するよう促した。「アイゼンハワー大統領やマッカーサー元帥らさえ『戦争を終わらせるために必要ではなかった』と言っている」と主張している。(ワシントン=杉山正)