2007年に東京都渋谷区の温泉施設「シエスパ」で従業員3人が死亡したガス爆発事故で、設計を担当し、業務上過失致死傷罪に問われた大成建設社員、角田宜彦被告(58)について、禁錮3年執行猶予5年とした一、二審判決が確定する。最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)は25日付の決定で、被告の上告を棄却した。
決定などによると、事故は同年6月に発生。屋外への配管に結露水がたまったため、温泉水に含まれるメタンガスが排出されずに機械室内に漏れ出し、機器類の火花に引火して爆発した。第一小法廷は「結露水を抜く作業が必要だと施設側に伝えなかった」として、被告に過失があったと認定した。
爆発事故の刑事責任をめぐっては、施設の管理責任者が業務上過失致死傷罪に問われたが、一審の無罪判決が確定している。