音楽活動をしていた東京都武蔵野市の大学生冨田真由さん(20)がファンの男に襲われて重体となった事件について、警察庁の金高雅仁長官は2日の定例記者会見で、「警察が事前に相談を受けながら重大な結果を防げなかったことは重く受け止める必要がある」と述べた。
事件では、警視庁武蔵野署が事件前、冨田さんから岩埼(いわざき)友宏容疑者(27)のツイッターへの執拗(しつよう)な書き込みなどについて相談を受けていたが、「ストーカー相談」として扱わず、本部の専門部署にも報告しなかった。また、警視庁は冨田さんからの110番通報を受けた際、位置の確認を怠るなどのミスがあった。
金高長官は「ライブ活動をしている方とファンという関係や、SNSへの書き込みの形態など通常のストーカー事案と異なる面があった」としつつ、「どんな場合でも被害者の身に迫る危険を正しく判断し、被害者を守るのが警察だ」と指摘。「警視庁が対応の確認を進めており、今後改善すべき事項を精査している。警察庁も教訓を全国的に共有していく」と語った。