北京五輪の陸上男子400メートルリレーで銅メダルを獲得し、喜ぶ(右から)塚原直貴、朝原宣治、末続慎吾、高平慎士
陸上の男子トラック種目で日本が唯一、五輪で獲得したメダルの色が変わる可能性が出てきた。男子400メートルリレーで日本が3位になった2008年北京五輪で、ウサイン・ボルトを擁して世界新記録で優勝を飾ったジャマイカの1走、ネスタ・カーターがドーピング検査で陽性を示したと地元ジャマイカ紙などが報じた。もし違反が確定すれば、ジャマイカは失格となり、日本が銀メダルの扱いとなる可能性もある。
当時のリレーメンバーたちの思いは複雑だ。北京五輪で感極まってバトンを高々と放り投げたアンカーの朝原宣治さんは4日、「迷惑です。『何だよ』という気持ちです」と心境を語った。メダルが銀に変わっても、大きな喜びはない。それより、ドーピング違反で競技の魅力が損なわれることを懸念している。
カーターと同じ1走だった塚原直貴(富士通)も困惑した表情だった。「正直複雑。ヨーイドンで2番じゃないので。一つ上がるのはうれしいけど」。