英ベントレー日本法人は9日、ブランド初となるSUV(スポーツ用多目的車)「ベンテイガ」を国内初披露した。大型SUVの市場は北米を中心に好調で、国内外の大手自動車メーカーだけでなく、同じ英国ブランドのロールス・ロイスや伊ランボルギーニも大型SUVの投入を予告。新興国の富裕層も視野に競争が激化しそうだ。
ベンテイガは全長5・1メートルの大柄なボディーに、6リッターW型12気筒エンジンを搭載。最高出力608馬力を絞り出し、最高速度は301キロメートルに達する。内装のしつらえは、職人の手作業でウッドパネルや本革をふんだんに用いた。
大型SUVは近年、居住性の高さや迫力ある存在感などが北米を中心に受け、国内外の高級車ブランドが相次いで参入。先行するトヨタのレクサスRX、独フォルクスワーゲン(VW)グループのポルシェ・カイエンやアウディQ7などが、スポーツカーやセダンからの買い替え需要を掘り当て、それぞれの屋台骨を支える一大カテゴリーとなっている。今年に入ってからも英ジャガーや伊マセラティの初参入が注目を集めた。
ベントレーは戦前から続く英国の老舗メーカー。1998年、VW傘下となった。ベンテイガの価格は消費税込みで2695万円。初年度は80台の販売を見込んでいる。日本法人のティム・マッキンレイ代表はこの日の発表会で、「成熟した日本のSUV市場に一石を投じる」と自信を見せた。(北林慎也)