大阪府吹田市のアパートで乳児の遺体が見つかった事件で、大阪府警は11日、無職白土(しらつち)憲昭容疑者(42)と妻の勇気容疑者(37)=いずれも同市片山町4丁目、死体遺棄罪で起訴=を保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕し、発表した。憲昭容疑者は「衰弱死すると分かっていた」、勇気容疑者は「母乳を吐くようになったが病院に行かなかった」と供述しているという。
捜査1課によると、2012年5月10日ごろ、当時住んでいた同府摂津市の住宅で乳児が生まれたが、母乳を飲まずに衰弱していたにもかかわらず、2人は医師の診察を受けるなどの必要な方法をとらず、同12日ごろに乳児を死なせた疑いがある。「お金がなくて病院に行けなかった」と話しているという。
府警は今年5月、憲昭容疑者を長女(16)への傷害容疑で逮捕。長女の話などをもとに、2人が住む部屋で衣装ケースに入った乳児の遺体を見つけた。遺体は白骨化し、死因はわからなかったが、DNA型鑑定で実子と断定した。さらに死亡当時の2人の供述が一致したほか、実際の遺体の状況とも矛盾しないことから、両容疑者が乳児を死なせたと判断した。
同課によると、乳児の出生届は出されていなかった。2人には長女ら9人の子供がおり、乳児と同様に「数人を自宅で出産した」と話しているという。