独特の黒光りで知られる大玉の高級ブランドスイカ「でんすけすいか」の初収穫が始まった=13日午前、北海道当麻町、山本裕之撮影
独特の黒光りで知られる大玉の高級ブランドスイカ「でんすけすいか」の収穫が13日、産地の北海道当麻町で始まった。
シャキシャキした食感と強い甘さも特長で、一般的なスイカの糖度が8~9度とされるのに対し、11度未満は廃棄している。重さは平均8キロ。贈答用に人気を呼び、地元では1個5千円~8千円、首都圏のデパートや高級フルーツ店では1万~2万円の値が付く。
32年前にコメの転作用作物として導入され、「田を助ける」の意味も込めて名付けられた。春先の高温から一転して寒い日が続いたが、21棟のハウスなどで6千個を生産する舟山賢治さん(35)は「寒暖の差が生まれ、例年よりさらに糖度が高まった」。この日は150個を収穫し、手作業と機械で表面を丁寧に磨き上げて出荷した。
同町では38軒の農家が生産し、8月のお盆前後まで約7千個を出荷する。高級ブランドならではの手間ひまも。栄養を集中するため1株に1個しか成長させず、着果から収穫まで厳密な日程管理の下で、小さな傷にも気を配りながら、わき芽や余分な葉をとる。それでも形が多少ゆがんだり、傾きがあったりすると出荷できない。舟山さんは「手間の分だけおいしくなる」と話した。(渡辺康人)