三菱東京UFJ銀行は近く、国債入札に特別な条件で参加できる資格を国に返上する手続きに入る。早ければ6月中にも資格を失う見通しだ。利回りがマイナスになった国債の落札義務を緩めるよう財務省に求めたが、受け入れられなかった。
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国債入札の特別資格、三菱東京UFJ銀行が返上検討
返上するのは「国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー)」。財務省との意見交換や資格保有者限定の入札に参加できる利点がある一方、すべての入札で4%以上を応札し、短期国債以外は1%以上の落札が義務付けられている。いまはメガバンク3行と証券会社19社の計22社が資格を持っている。
三菱東京UFJ銀関係者によると、同行は3月から、水面下で財務省側と話し合いを重ねていた。落札できない場合に名前を公表されるといったいまの制度下での「処分」をなくすなど、1%の落札義務を緩めるよう求めてきた。
だが、財務省側からは「義務を緩めれば、制度の根幹にかかわる」「1社だけのために変更できない」などと受け入れられず、資格返上に踏み切ることを決めた。