京都ハリストス正教会の聖障(イコノスタス)=京都市中京区、佐藤慈子撮影
今秋の「京都非公開文化財特別公開」(京都古文化保存協会主催、朝日新聞社特別協力)では、ふだん寺社の参加が多い中で異色とも言える、京都ハリストス正教会の大聖堂(京都市中京区)が公開される。
生神女福音(しょうしんじょふくいん)大聖堂は1903(明治36)年の完成。京都府庁旧本館を手がけた松室重光の設計で、東方正教会の流れをくむ日本ハリストス正教会の本格的な大聖堂としては、現存する最古のものだ。八角塔とドーム屋根が特徴のロシア・ビザンチン様式で、市の指定文化財。流れを継いだ豊橋や函館のハリストス正教会の聖堂は、国重要文化財だ。
内部は、聖人や最後の晩餐(ばんさん)などの出来事を描いた聖像(イコン)30枚を壁のように飾った聖障(イコノスタス)が壮麗に彩る。20世紀初頭にモスクワで制作され、移送された。当時のものは、ロシアでは1917年の革命で多くが失われたという。司祭の及川信さんは「タイムトンネルのように伝わった一流の芸術作品を多くの人に知ってもらいたい」と話す。
特別公開は10月28日~11月7日(一部異なる)、京都市と京都府八幡市の寺社など21カ所が参加する。拝観料は1カ所大人800円、中高生400円(同)。詳細は協会ホームページ(
http://www.kobunka.com
)。問い合わせは協会(075・754・0120)へ。
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特別公開の拝観料収入は、文化財の修理や保存に役立てられています。(久保智祥)