東京・歌舞伎町の飲食店街「新宿ゴールデン街」で4月に発生した火災で、警視庁は、出火元の建物に立ち入ったとして逮捕した男が、現場に火をつけた疑いが強まったとして、現住建造物等放火の疑いで22日にも追送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。
追送検されるのは住所不定の無職春名弘被告(66)=建造物侵入罪で起訴。4月12日午後1時半前、東京都新宿区歌舞伎町1丁目の木造モルタル2階建て建物2階の空き店舗内に火をつけた疑いがある。この火災で、飲食店など十数店舗が入る計3棟が燃えた。
警視庁は翌13日、付近の防犯カメラの映像などから、出火元に立ち入ったとして春名被告を逮捕。ライターとたばこを所持しており、その後の調べに「ライターで火をつけた」と供述したという。ただ、火をつけた場所や目的については、「覚えていない」などと話しているという。
空き店舗は当時、改装工事のための準備中で、段ボールの他、ベニヤ板やおしぼりが置かれていた。現場から油の成分は確認されず、火器類もなかったが、周辺に火の気もないことから春名被告の関与を特定したという。