ある国際的な科学研究チームはサイエンス誌最新号に発表した論文の中で、新型コロナウイルス感染症の流行初期に中国が厳しい規制措置を講じ、人々のソーシャルディスタンスの維持を促したこれらの措置は高い効果を発揮したとした。だが一方で米国の各州は方針がバラバラで、後になり関連措置を講じ人と人の接触を減らしたが、効果はあまり顕著でなかったという。科技日報が伝えた。
論文は「中国の関連措置は成功を収めた。1カ月もしないうちに中国の毎日の新規感染者が安定化に向かい、その後徐々に減少した」と指摘した。同論文の責任者の一人である、米ノースイースタン大学ネットワークサイエンス研究所のアレッサンドロ・ベスピニャーニ所長は「人と人の接触の減少は、新型コロナの中国での猛威を弱めた。我々の研究によると、ソーシャルディスタンスの維持が大きな効果を発揮した」と述べた。
研究者によると、米国の状況は異なっていた。米国の各州の方針はバラバラで、前後して関連措置を講じ人と人の接触を減らし感染ペースを落としたが、感染拡大が止まっていない。米国の一部の州では新規感染者が減っているが、増え続けている州もある。
ベスピニャーニ氏は「米国で感染の勢いが弱まっているが、そのペースは緩慢だ。現在の状況は欧州の新型コロナがピークに達した時に類似している。イタリアでは2カ月続いてから勢いが弱まった。中国の措置は米国よりも厳しく、人と人の間での新型コロナの感染機会を大幅に減らした。「ロックダウン」中、中国の人と人の交際は7-9倍減少した。しかも交際のほぼすべてが家庭内で生じた」と述べた。
「これは確かに新型コロナのような感染症を抑制する非常に効果的な手段だ。すでに感染した人は家族や他人にうつす可能性があるが、それ以上の拡大はない。新たな感染者がでなければ、この感染症は徐々に消滅する」とベスピニャーニ氏。
この最新の研究は、中国の科学者による以前の研究に基づく。同チームは中国の科学者が新型コロナ流行前に上海の対人関係モデルについての研究を偶然知り、その後「ロックダウン」中にこの研究を繰り返した。
ベスピニャーニ氏は「科学者が正常な生活モデルと『ロックダウン』中の生活モデルを比較対照できたのはこれが初めてだ」と話した。
このほか、研究者は具体的な原因が不明だが、子供が新型コロナに感染しにくいことを発見した。同研究の共同責任者、伊ブルーノ・ケスラー財団疫学・数理統計学者のマルコ・アジェリー氏は「我々の研究によると、15歳未満の子供が新型コロナに感染する確率は、15-64歳の3分の1に過ぎない。64歳以上の人がより感染しやすい」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年7月2日