「ほぼほぼ」は、こんな形で使われている
耳にしたことありませんか、「ほぼほぼ」という言葉。正直、気になります。みなさんは、気になりますか?
試しに夜のとばりが下りたJR新橋駅前で聞いてみた。待ち合わせ中の会社員男性(27)に声をかけると、「進捗(しんちょく)度でいえば、ほぼは90%で、ほぼほぼは95%かな」と教えてくれた。別の会社員女性(24)は、「よく使います。先日も友達に予定を聞かれ、『その日は、ほぼほぼOKだよ』って」。横にいた友人らもうなずいていた。ただ、女性が「上司にも使います」と言うと、友人らは「それはないない」とそろって驚いた。
「私はあまり違和感がないですね」と話すのはエフエム岩手放送部の佐々木寿仁さん(37)。昨年10月の開局30周年記念の特別番組に「ほぼほぼ24時間生放送」と銘打った。「放送後、『誤用だ』といったリスナーからのお叱りの声は1件もありません」
放送1カ月半前の企画会議。番組名を決める際、24時間の番組枠内にはTOKYO FMなど他局番組も含まれていたことから、「24時間」と表現できるかどうかが問題になった。出席者の一人が「実質的には24時間じゃないね」とつぶやくと、ふと出てきたのが「ほぼほぼ」だった。
佐々木さんは「番組名としてのリズム感がいいし、熱意は24時間分を込めたとのメッセージも面白おかしく伝えられた」と話す。