5連覇を達成した井山裕太本因坊=30日午後、福島市
囲碁の第71期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第5局は29、30の両日、福島市で打たれ、七冠王の井山裕太本因坊(27)が挑戦者の高尾紳路九段(39)に177手までで黒番中押し勝ちし、4勝1敗で本因坊5連覇を達成した。名誉称号(本因坊は永世称号)の条件を満たした井山は「二十六世本因坊」を名乗る権利を得た。七大タイトルの名誉称号の有資格者が出るのは23年ぶりとなる。
4月に前人未到の七冠独占(名人、棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段)を果たした井山が、達成後最初の防衛戦を制し、七冠の立場を堅持した。第1局は敗れたものの、第2局から4連勝した。
5連覇または通算10期獲得が条件となる七大タイトルの名誉称号は、林海峰名誉天元(74)が1993年12月に天元を5連覇したのを最後に達成者が出ず、以降、のべ6人の棋士が目前の4連覇で涙をのんでいた。名誉称号は原則として60歳または引退時から名乗れる。
碁聖4連覇中の井山は、挑戦者の村川大介八段(25)と五番勝負を戦っている(現在、井山の1勝)。防衛すれば「名誉碁聖」の権利を獲得する。(伊藤衆生)