第1着を打つ井山裕太名人(右)。左は高尾紳路九段=26日午前9時、静岡県河津町、堀英治撮影
井山裕太名人(27)=棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段をあわせ七冠=に挑戦者の高尾紳路九段(40)が3勝2敗とリードして迎えた第41期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局が26日、静岡県河津町の旅館「今井荘」で始まった。
第6局タイムライン
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高尾挑戦者が七冠王を破って10期ぶりの名人返り咲きを決めるか、開幕3連敗から巻き返してきた井山名人がタイに追いつくか。序盤、カド番の名人が積極的に動いている。
定刻の午前9時、立会人の片岡聡九段が開始を告げ、先番の名人が第一着を右上星に打ち下ろした。
白14までは、2年前に打たれた両者の対局と同じ進行だった。右辺を放置したまま左下黒15に向かったのが名人の趣向。下辺黒25に先着して白26のハサミを誘い、それから堂々と黒27と動いた。左下一帯で最初の折衝となっている。
解説の蘇耀国九段は「黒15以降の名人が非常に積極的。左下は見たことのない折衝で、どうなるか注目です」と話した。(伊藤衆生)