藤沢里菜三段(左)が謝依旻女流本因坊を破り、タイトルを奪還した=24日、東京都千代田区
囲碁の女流本因坊戦五番勝負で藤沢里菜三段(18)が謝依旻(しぇい・いみん)女流本因坊(26)を3勝1敗で破り、女流5タイトルを独占していた謝“1強”の構図に風穴を開けた。他棋戦でも謝への挑戦権争いでトップに立つ。史上最年少、11歳でプロ棋士になった藤沢の勢いが加速している。
決定局となった24日の第4局は午後6時ちょうど、謝の投了で終局した。東京・日本棋院本院7階の対局室に報道陣が押し寄せたが、2人は身じろぎせず黙って盤上を見つめている。およそ3分の沈黙のあと、互いの着手の是非を検討する感想戦がささやくような小声で始まった。
「まだ実感がないんですけど、昨年悔しい思いをしたんで、また本因坊になれてうれしいです」。謝が退室したあとに行われた勝利者インタビューで、藤沢からようやく笑みが漏れた。
昨年は女流本因坊の初防衛をめざし、謝の挑戦を受けた。結果は2連勝3連敗の大逆転負け。「実力なんですけど悔しい」。最終局のあと、報道陣の前で涙を抑えられなかった。その悔しさを成長の糧とした。
「1年間ずっと自分の欠点を減…