英保守党党首選の決選投票に進んだ2氏(英BBCの報道などから作成)
辞任を表明した英国のキャメロン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選の決選投票は、テリーザ・メイ内相(59)とエネルギー担当閣外相(副大臣に相当)のアンドレア・レッドサム氏(53)の女性2人による争いになった。勝者が新しい首相になり、国民投票で離脱を決めた欧州連合(EU)との交渉も担うことになるが、両氏の経歴や主張は好対照だ。
特集:英、EU離脱へ
「EU離脱に向けて最善の条件を交渉し、党と国をまとめ上げる実績あるリーダーが必要だ」。下院議員による予備投票で199票を獲得し、84票のレッドサム氏に大差をつけたメイ氏は7日、こう牽制(けんせい)した。
議員歴約20年のメイ氏は影の閣僚を歴任し、キャメロン内閣では主要ポストの内相を6年にわたり務めてきた。ただ弱点もある。担当する移民問題で、政権が公約した移民の年間純増数を「10万人未満」にする目標を達成できず、域内を自由に往来できるEU移民への国民の不満を募らせた。国民投票では残留を支持し、英国に有利な離脱条件をEUにのませられるか、党員の間に疑問も残る。
金融業界から6年前に政界入り…