「医療現場の英語辞典」を完成させた田中芳文教授=島根県出雲市の県立大学
knife―happy(ナイフ・ハッピー)=やたらと手術をしたがる外科医、city taxi(シティー・タクシー)=救急車をしょっちゅう呼んで病院までただ乗りする人――。島根大と島根県立大の名誉教授、山田政美さん(79)と県立大教授の田中芳文さん(55)が共著「医療現場の英語辞典」(三省堂)を5月に出版した。米国の医療ドラマなどに登場するスラング(俗語)や業界用語約3千項目を収録。「読み物としても楽しんでほしい」(田中さん)という。
英語学が専門の山田さんはスラングを長年研究しており、田中さんは島根大での教え子。5冊目の共著となる。
田中さんは、米の医療小説や日本でも放映されたドラマ「ER」などで興味を抱き、様々な本を読み込んで約20年にわたりスラングの収集を続けた。一般の人には理解できない数多くの表現があることに感心したという。
たとえば「digging for worms」(ミミズを探して穴を掘る)は、その形状から「拡張蛇行静脈とも呼ばれる静脈瘤(りゅう)の手術」のこと。「chocolate highway」(チョコレート・ハイウェー)は「直腸」「肛門(こうもん)」を指すという。
社会問題が背景にある言葉も。…