スペインで人形劇を披露した玉屋庄兵衛さん(左から2人目)や千田靖子さん(同3人目)ら=名古屋市北区
4年に1度開かれる世界の人形劇の祭典に、江戸時代から9代続く名古屋市のからくり人形師が初めて参加した。開催地スペインで見せたかったのは「日本のものづくりの原点」だという。
「変わってるね!」。日本から約1万キロ離れたスペイン北部のまちで、からくり人形の劇を見た子どもたちが驚いた。
披露したのは、からくり人形師の9代玉屋庄兵衛さん(62)=名古屋市北区=ら8人でつくったグループだ。5月末~6月初旬、スペインのサンセバスチャン市とトロサ市であった4年に1度の「世界人形劇フェスティバル」に参加するために結成した。
からくり人形が回転しながら枝を飛び移ったり、階段状の杭の上を歩いたりすると、会場から大きな拍手がわいた。「操り手が見えない仕掛けが日本独特で、手品と一緒だと思う」と玉屋庄兵衛さん。メンバーが「人形が運ぶお茶を飲んでみたい人は?」と問いかけると、何人もの子どもが手を挙げたという。
主催した国際人形劇連盟(UNIMA)の日本センターによると、約15カ国から32の人形劇団などが集まり、9日間で計約1万8千人が来場した。
玉屋庄兵衛さんは、からくり人…