上場したニューヨーク証券取引所でトレーダーから株価について説明を受けるLINE取締役の慎重扈(左)=14日、ロイター
日米で同時上場したLINEの「創造者」とも呼ぶべき存在が慎重扈(シン・ジュンホ)取締役だ。海外担当の彼に書面インタビューし、これからのLINEの戦略を聞いた。
LINE、日韓人材の相乗効果「国を背負ってはいない」
――LINEの立ち上げから中心人物でした。
「LINEを生みだせたのは、(前身の)ネイバージャパンの全員が目標に向かって一つになれたからだ。前例のない挑戦を続けてきたが、日米同時上場というこれも前例のないことに挑戦したことは、我々のグローバルで挑戦していく意思表示でもある」
――LINEを今後、どのような会社にしたいですか?
「それぞれの国でユーザーを一番理解し、生活の様々な場面で役に立つサービスを生み出す会社でありたい。上場したことで透明性が高まり、今後生活のインフラとして、より信頼される企業にしたい」
――LINEは日本でしか収益を上げられないという悲観的な見方もあります。今後の海外展開の見通しを教えてください。
「全世界で勝負をするという戦略を2015年に大きく変更し、アジアマーケットへの集中を図って、前年比で23%利用者を増加させた。今後、日本では「スマートポータル」というビジネスモデルを深化させ、タイ・台湾はこれに加えてさらに収益化を進める。インドネシアはまず、首位を奪取することが大事なので、そこに集中する。現在の日本と海外の売り上げの比率は7:3。日本以外からも収入はある。台湾とタイの貢献が高いが今後、インドネシアも入ってくる。サービス開始からわずか5年で4地域でシェア上位をとり、日本以外から約3割の収益を得られるのは大きな進化だ。また、複数国でトップシェアをとり、収益化に成功している対話アプリはLINEだけだ」
――親会社ネイバーの検索担当か…