組織ぐるみのドーピングが明るみに出ているロシアスポーツ界について、世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームは18日、カナダ・トロントで会見を開き、ロシアが多くのスポーツで約5年間にわたり検体をすり替えるなどの手法でドーピングを隠していたなどとする報告書を公表した。隠蔽(いんぺい)はスポーツ省主導で行われ、情報機関を含むロシア政府の関与も認定した。
ロシア、ソチ五輪で国家主導ドーピング WADA報告書
報告書の公表を受け、WADAは、国際オリンピック委員会(IOC)や国際パラリンピック委員会(IPC)に対し、ロシア全選手のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックへの出場登録を拒否することを検討すべきだと提案した。
報告書では、ロシアのスポーツ省が2011年から15年8月にかけてモスクワの検査機関を管理下に置き、ドーピング隠しを主導していたと指摘。検査で陽性の結果が出た選手でも、ユーリー・ナゴルヌィフ次官らスポーツ省上層部がメダル候補や将来有望な選手と判断すれば、「陰性」と登録された。隠蔽は陸上、重量挙げ、水泳、アイスホッケーなど大半のスポーツで行われ、ビタリ・ムトコ・スポーツ相も把握していたという。検査機関の元所長は選手に禁止薬物を提供していた。
14年ソチ五輪ではロシア以外…