インタビューに応じるLINEミュージックの高橋明彦取締役
ガラケー文化のリバイバルを進めるLINE。次に展開するのは有料会員制の音楽配信サービス「LINEミュージック」で提供する音楽を、無料通話機能の着信音にできるサービスだ。LINEミュージックの高橋明彦取締役に戦略を聞いた。
スタンプ長者も出現 LINE、ヒントはガラケーに
――2015年6月に始まったLINEミュージックですが、どんな世代に人気ですか。
「現在の利用者数は開示していないが、学割の利用率がかなり多い。中高大学生と20歳代が中心。利用者の男女比は半々。一方、30歳代になると少ない。音楽から離れてしまっている働き盛りは使っていない。若者向けの配信サービスではLINEミュージックがトップ。一方、大人ではアップルミュージックに負けている」
――音楽配信サービスはアップルやアマゾンも展開しています。競争は厳しそうです。
「そこでは、LINEの機能と結びつけることで新しい価値をどう生み出すかがポイントになる。LINE独自の機能に満足してもらえない限り、お金を取るのは難しい。今、若者の間で最近流行しているのは、LINEのプロフィルページに自分の音楽を付ける機能だ。『プロフBGM』と言われている。この機能によって、今まで自分の知らなかった新しい音楽を知ったりすることもあるようだ」
――単純に音楽を配信するだけではないのですね。
「他人と情報を共有する『タイムライン』に音楽を付けることもできる。最近の若者はフェイスブックを使っていない人が多くて、日記を書く場所がない。だから、LINEのタイムラインページに書くようになっている。このページに自分の好きな音楽を設定できる。設定しないと逆に取り残されているという状況にまでなっている。LINEミュージックの有料会員を増やすことも目的だが、LINEと連携することでLINEをより使ってもらうのも重要だ」