商務部は3日に定例記者会見を開催し、対外貿易分野の最新データを発表した。データから、対外貿易が安定化する積極的なシグナルが発信された。
同部の高峰報道官は、「今年に入ってから、新型コロナウイルス感染症などの要因が積み重なった影響により、中国のサービス貿易は規模が縮小したが、今は安定に向かう様子をみせており、サービス輸出の状況は輸入より明らかに好調で、貿易赤字が減少し、知識集約型サービス貿易の占める割合が上昇した。最新のデータでは、今年1-10月には、中国のサービス輸出入額が3兆7257億8千万元(1元は約15.9円)となり、前年同期比16.1%減少した」と説明した。高報道官は、「具体的には、目下のサービス貿易には主に次のような特徴がみられる」として、次の3点を挙げた。
(1)サービス貿易の赤字がさらに減少した。1-10月には、サービス輸出額が1兆5489億5千万元で同1.8%減少し、サービス輸入額が2兆1768億3千万元で同23.9%減少した。サービスの輸出額の減少幅は輸入額の減少幅を22.1ポイント下回り、サービス貿易の赤字を51.1%引き下げて6278億8千万元にとどめ、同6569億4千万元減少させた。
(2)知識集約型サービス貿易が流れに逆らって増加した。1-10月には、知識集約型サービス輸出入額が1兆6390億3千万元になり、同8.3%増加し、サービス輸出入額全体に占める割合が44.0%に達し、同9.9ポイント上昇した。このうち輸出額は8609億4千万元で同8.2%増加し、サービス輸出額全体の55.6%を占め、同5.1ポイント上昇した。輸出の増加率が高かった分野は知的財産権の使用料、保険サービス、通信・コンピューター・情報サービスだった。輸入額は7780億9千万元で同8.4%増加し、サービス輸入額全体の35.7%を占め、同10.7ポイント上昇した。輸入の増加率が高かった分野は金融サービス、通信・コンピューター・情報サービス、保険サービスだった。
(3)旅行サービスの輸出入が目に見えて減少した。新型コロナウイルス感染症が世界規模で旅行サービスの輸出入に深刻な影響を与えた。1-10月には、中国の旅行サービス輸出入額は8732億8千万元で同47.1%減少、このうち輸出額は同48.5%減少、輸入額は46.9%減少した。旅行サービスを除くと、1-10月の中国のサービス輸出入額は同2.3%増加、うち輸出は4.8%増加、輸入は前年同期並みとなる。
これと同時に、自由貿易試験区の動きに大きな注目が集まった。
最新のデータでは、今年1-10月に、上位自由貿易試験区18ヶ所の輸出入額が3兆8千億元に達して、全国の14.8%を占めた。中でも浙江省、河南省、四川省の試験区の増加ペースが目を引き、輸出入額は順に80.5%、52.9%、38.3%、それぞれ増加した。また上位18試験区の実行ベース外資導入額は1310億1千万元で全国の16.4%を占め、中でも海南省、福建省、上海市の試験区の増加ペースが目を引き、同外資導入額は順に49.8%、46.5%、39.4%、それぞれ増加した。
高報道官は、「今年に入ってから、各自由貿易試験区は新型コロナウイルス感染症の影響を積極的に克服し、引き続き改革・イノベーションを進め、大胆な模索を行い、ビジネス環境が持続的に最適化し、市場の活力が効果的に活性化された。特に対外貿易の安定と外資の安定に積極的に寄与した」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年12月4日