LINEの舛田淳取締役
7月15日に株式上場したLINEの“軍師”とも呼ぶべき存在が舛田淳取締役だ。戦略担当の彼に、これからのLINEの戦略を聞いた。
(インタビューは2016年7月11、12日)
――「スマートポータル」という構想はユニークですね。メッセージから始まったLINEを他のサービスに広げていこうと思ったのは、いつからですか?
「のちにLINEに結実する社内プロジェクトで話し合っていた2010年末ごろには、私と慎重扈(シンジュンホ)(取締役、親会社の韓国ネイバー出身)の間では『人と人をつなげる先にはもっといろんなサービスをつなげられるのではないか』と話していた。本格的には2011年10月、ユーザーが500万~600万人ぐらいになったときに『LINEプラス』というコードネームのプロジェクトが始まりました。買収した旧ライブドアと旧ネイバージャパンが一体化したころで、500~600人の社員を集めた会議の中で慎が『1億人ユーザーまで持って行き、プラットホームをめざす』と言いましたね」
――そのときのプラットホームとは?
「LINEを軸にして企業向けサービスをやったりニュースを配信したり、スタンプを販売したりしようと」
――インフラのLINEは無料で、その上で展開されるアプリケーションは有料にし課金してゆくと?
「そういうことです。我々は多くのユーザーがいて、それが毎日使う。日本の今までのインターネットサービスとは桁違いの規模があり、それをいろいろなサービスに送客していこうと。それで2014年にLINEのプラットホーム化を宣言したのですが、『プラットホーム』という言葉はユーザーサイドの言葉ではないのですよね。それで16年に『スマートポータル』という言葉を打ち出したのです。24時間365日、LINEを入り口にしてすべてが完結した世界をつくろう、と。ゲームや音楽といったコンテンツを始め、LINEペイで決済をし、さらに企業向けに内部に閉じていたプログラムを開放し、これからは企業の販促や物販もLINE上でできるようにします」
――スマートフォンのポータル…