「キャパシター」と呼ばれる蓄電装置(中央の容器内)を電源に、手作りの台車を動かす川越工業高校の生徒たち=川越市西小仙波町
埼玉県立川越工業高校(川越市)電気科の3年生が、蓄電池で走る、架線いらずのエコな電車を開発中だ。目玉は、駅で客の乗降中に、前の駅から走って消費した電気をワイヤレスで高速充電する夢のシステム。半永久的に走れるうえ、電源を風力発電などに求めることも可能だ。秋の文化祭での実車走行を目指し、夏休み返上で取り組んでいる。
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開発しているのは「電車班」の12人。車内電源に、容量が大きく高速充電が可能な蓄電装置「キャパシター」を使う。蓄電能力など特性を理解することから始め、ようやく10本をつないで27ボルトを発生させて、これを6列並べて蓄電容量を増やせるところまできた。
現在は架台の上で台車のモーターを回す実験中。近く校内に仮設する線路で台車を走らせ、電力消費量などを調べる。
ワイヤレス充電には、車外電源のコイルに電気を流して、向き合わせた車内キャパシター側のコイルに磁界を発生させて充電する論理を採用。これから装置の設計に入る。ワイヤレス充電で電車走行を実用化できれば日本初という。機械科の「自動車班」との共同開発で、自動車班はキャパシターとバッテリーを組み合わせたハイブリッド車の開発を目指している。
同高では歴代の電車班の3年生…