ロンドン五輪のシンクロナイズド・スイミングで金メダルを獲得したロシア=AP
リオデジャネイロ五輪からのロシア選手団全体の排除を求めた世界反ドーピング機関(WADA)の勧告に対し、24日の国際オリンピック委員会(IOC)の臨時理事会は厳格な対応を取らず、選手の出場可否の判断を各競技の国際団体に委ねた。げたを預けられた形の各団体は、直前に迫ったリオ五輪の開幕を控え、難しい対応を迫られる。
ロシア選手のリオ五輪出場、競技団体に委ねる IOC
問題告発のステパノワ、五輪出場認められず IOC決定
リオオリンピック2016
IOCは先月21日にスイス・ローザンヌで開いた五輪サミットで、ロシアの全競技の選手について「正当性が保証されている国外の機関が潔白と証明すれば、五輪出場を認める」との新基準を打ち出した。その後にWADAがロシアによる国ぐるみのドーピングを認定しても、この基準からそれることはなかった。
WADA報告書は、モスクワの検査機関が2011年後半から15年8月の間に、577件のロシア選手の陽性結果を把握していたと明らかにしている。このうち夏季五輪の実施競技は20。陸上139件、重量挙げ117件に続き、レスリング28件、カヌー27件、自転車26件となっており、こうした件数の多い競技団体の対応が特に焦点になる。