南半球のブラジル・リオデジャネイロは現在、冬だ。でも、天気がいい日は気温が３０度近くまで上がる。ビーチには多くの観光客が集まり、ビキニ姿の女性や上半身裸の男性たちでにぎわう。

特集：リオ五輪

中南米を中心に流行するジカウイルス感染症（ジカ熱）のニュースが世界に広がってから約半年がたつ。しかし、この感染症に関しては正確な知識よりもイメージが先行している気がする。蚊が媒介するジカ熱は感染しても８割は症状が出ないとされ、重症化することはほとんどない。感染者から小頭症の子が生まれる事例が目立ったため、対策が必要なのは主に妊婦や妊娠の可能性がある女性だ。

リオの人々は、蚊が多い真夏のカーニバルの時期も普段と変わらない日常を過ごしていた。リオ州によると、今年のジカ熱による死者数は５月末時点でゼロ。冬に入って発生件数も激減した。リオ市の調べでは、今年１月に７７４７件あったジカ熱の感染件数は、６月には５１０件に減った。世界保健機関（ＷＨＯ）は６月、リオ五輪に関して「感染が拡大するリスクは極めて低い」との見解を出した。

地元紙グロボによると、今年は計６２人が小頭症と診断されたが、そのうちジカ熱との関連が確認されたのは１人もいない。

ところが、ジカ熱を主な理由の…