納涼祭の様子=津久井やまゆり園みどり会(家族会)の今年1月発行の機関誌から(画像の一部を加工しています)
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された事件の影響で、園は6日に予定していた納涼祭の中止を決めた。園を一般開放する恒例行事で、楽しみにしていた住民も多い。
相模原の殺傷事件
「積み上げてきたものを壊された」。園に約40年勤めた甘利ミツ子さん(74)は憤る。事件が起きた7月26日の1週間ほど前、盆踊りの練習を手伝いに園を訪れたばかりだった。
園では毎夏、納涼祭として盆踊り大会を開き、地域住民にも開放してきた。打ち上げ花火や模擬店も出てにぎわうという。「地元には楽しみにしていたお年寄りもいるのに残念」
園の開設は1964年。甘利さんは「最初から全部うまくいっていたわけじゃない」と振り返る。当初は障害者の施設に対し、不安の声もあったという。しかし、職員らが清掃活動をしたり、入所者が地域の祭りに参加したりして、地域になじんでいった。元職員の石井明光さん(86)は職員の地元採用が多かったことに触れ、「雇用にもつながっていた」と話す。
近くに住む60代男性は「地元の神社の子どもみこしが園を訪れたり、子どもたちが入所者からお菓子をもらったりすることもあった。今後交流が減るようなことがあれば寂しい」。地元に住む元職員の男性(82)はこう願う。「事件が落ち着いたら、また元のように交流してほしいし、それはできると思う」(桜井健至、遠藤雄司)