検索サイト「グーグル」で自分の名前を検索すると、暴力行為を連想させる集団との関係が表示されるとして、男性が検索結果の削除を求めた仮処分の申し立てで、東京地裁が122件の削除を命じたことへのグーグル側の異議を認め、同地裁の別の裁判官が、このうち約60件の削除命令を取り消す決定をした。
ヤフー検索結果「削除不要」 「雑誌で過去公表」証拠に
決定は7月14日付。グーグル側は、男性が約10年前の雑誌のインタビューなどでこの集団の幹部だったことを自ら明かしていたとする証拠を新たに提出。「プライバシーを放棄した」として、122件のうち66件は削除の必要がないと訴えていた。
決定は、過去に自ら公表したとしても「プライバシーを終生放棄したと考える必要はなく、時間経過などを考慮して判断すべきだ」と述べる一方、今回のケースでは「男性の経歴や属性が一定程度周知され、この経歴を男性が現在も利用している」と指摘。さらに、「(集団の)過去の構成員を明らかにすることは現在も一定の社会的意義がある」と判断した。
男性がヤフーに削除を求めた仮処分申請については、同地裁は2015年12月、過去のインタビューで「プライバシー権で保護される法的利益を放棄した」として、47件中36件は削除の必要がないと判断している。