トルコ・イスタンブールの裁判所は4日、先月中旬に起きたクーデター未遂事件を受けて、トルコ政府が「首謀者」と主張している米国亡命中のイスラム教指導者ギュレン師について、逮捕に向けた拘束決定を出した。トルコの複数のメディアが報じた。
今回の事件をめぐり、ギュレン師に対する裁判所の拘束決定が出たのは初めてという。捜査当局の要請を受け、裁判所が妥当と判断した決定では、ギュレン師が「クーデターを企てる指令を出した」としている。
事件後、ギュレン師の引き渡しを求めているトルコ政府に対し、米政府は、ギュレン師が事件に関わった具体的な証拠を示すようトルコ側に要求している。
トルコ政府は拘束決定を法的根拠として、米政府に引き渡し要請を強めるとみられ、両国の外交問題に発展する恐れもある。
一方、ギュレン師はクーデター未遂への関与を否定。引き渡し要請を拒否するよう米政府に求めている。(イスタンブール=春日芳晃)