父親のセバスチャン・オリベイラさん(手前)から聖火を引き継いだバドミントンのブラジル代表のイゴール・オリベイラ選手=3日、ブラジル・リオデジャネイロ郊外、西畑志朗撮影
銃犯罪や麻薬売買など、闇社会と隣り合わせのファベーラ(スラム街)に希望の光を照らす聖火がつながれた。スラム街に手作りで建てた体育館でバドミントンを教える父からリオデジャネイロ五輪の聖火を受け継いだのは、息子のイゴール・オリベイラ(19)。バドミントン男子ただ一人のブラジル代表として、リオ五輪に出場する。
リオオリンピック
3日、リオ市郊外で父親のセバスチャン・オリベイラさん(51)から聖火を受け継いだイゴールは、約200メートルをかみしめるようにゆっくりと走った。「貧しいコミュニティーからでもヒーローになれるという夢を、父と追い続けてきた。きょうは象徴的な日だ」。父の体育館でバドミントンを学ぶ子どもたち数十人も、はしゃぎながら聖火を追いかけた。
リオ五輪の競技会場が立ち並ぶリオ市西部から北へ車で40分。未舗装の急な坂を数キロのぼった先に、イゴールが生まれ育ったスラム街、シャクリーナがある。山肌に張り付くように立つ家々の路地を進むと、青いペンキで塗られた3階建ての体育館が姿を現した。
サンバのリズムが大音量で外に…