「LIGHT UP NIPPON」のイベントで、岩手県大槌町で打ち上げられた花火=2011年8月11日、林敏行撮影
熊本地震で震度7を観測した熊本県西原村と、東日本大震災の被災地各地の夜空を11日、花火が彩る。2011年の東日本大震災後に始まったイベントで、今年は主催者が「九州で同じように被災した人たちを元気づけたい」と提案した。
特集:熊本地震
イベント名は「LIGHT UP(ライトアップ) NIPPON」。大震災の月命日の毎年8月11日、復興と鎮魂の思いを込め、被災地で花火を打ち上げている。
実行委員会の一人、岩手県野田村職員の小谷地(こやち)鉄也さん(47)は、12年に野田村で初めて開催した際、花火を見て涙を流す被災者に「気持ちを整理し、復興を後押しするきっかけになる」と感じた。熊本地震が起き「被災地を元気づけたい」と、九州での開催を提案した。
同じような声が各地から寄せられ、実行委が熊本、大分両県で候補地を探し、西原村と決めた。ただ、熊本空港が近く、花火の打ち上げには制限があるため、「復興西原そして未来へ」の文字をかたどった仕掛け花火にするという。内田安弘副村長は「復興に向けた思いを一緒にすることで、こちらも元気が出る」と話す。
東北では岩手、宮城、福島各県の計10カ所で開催予定。小谷地さんは「花火を見て、同じようにがんばっている仲間が全国にいると思ってほしい」と話す。
イベント運営の財源となる寄付を一口1千円から受け付けている。詳細は実行委のホームページ(
http://lightupnippon.jp/
)で。(小原智恵)