日本列島は9日も高気圧に覆われ、北日本から西日本にかけて気温が上昇した。35度以上の猛暑日が全国198地点と今年最多を更新。30度以上の真夏日は629地点にのぼった。気象庁は、10日以降も西日本を中心に猛暑日が続くと予想しており、熱中症に注意を呼びかけている。
最も気温が高かったのは、山梨県身延町で39・2度、次いで同県南部町で38・9度といずれも同地点で観測史上1位の値を更新した。千葉県茂原市で38・7度、岐阜県多治見市や浜松市で38・3度、神奈川県海老名市や東京都青梅市で38・1度を観測。東京都の八王子市や羽田空港で38度、都心で37・7度と今年最高を記録し、都内も強い日差しに覆われた。
気象庁によると、高気圧に覆われたことに加えて、日本の東側を北上している台風5号の影響がある。台風に向かって吹く北西の風が山にぶつかり、乾いた暖かい空気が吹き下りる「フェーン現象」によって気温が上がったという。数日にわたって暖気が本州付近で滞留していることも要因だ。
また、日本気象協会(東京都豊島区)は9日、お盆期間の天気予報を発表した。11~14日にかけて広い範囲で晴れて暑さが続くと予想している。ただ、14日と15日は大気の状態が不安定になり、山間部では急な激しい雨や落雷に注意が必要だという。
気象庁の3カ月予報によると、9月の平均気温は北~西日本にかけて平年より高い。太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」が秋に発生する可能性があり、発生している時期は高温傾向になることから、厳しい残暑も予想される。(小川崇)