安否不明となっている大和晃さんを捜索する熊本県警や熊本市消防の捜索隊=9日午後1時14分、熊本県南阿蘇村、朝日新聞社ヘリから、上田幸一撮影
熊本県は9日、熊本地震で唯一、安否不明の熊本学園大学4年、大和晃(やまとひかる)さん(22)の地上での捜索を同県南阿蘇村で2カ月ぶりに再開した。大和さんが乗っていた乗用車と同じ黄色の車体の一部が土砂に埋もれているのを確認したが、引き揚げには至らなかった。10日も県警や消防など約80人態勢で捜索する。
不明学生の車か、両親らが発見 熊本地震・崩落現場下流
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県によると、阿蘇大橋の崩落現場の下流約400メートルで車体やエンジンのようなものを確認。滑車とチェーンで引き出そうと試みたが、車体が埋もれて動かなかった。このため、周りの土砂を掘り、車体を露出させる作業を続けた。
捜索を見守った大和さんの父卓也さん(58)は「明日は車全体を引き出すか、中を確認できるよう願っています」と話した。
大和さんは4月16日未明に阿蘇大橋付近を車で走行していたのを県警が確認。県は地上での捜索を5月1日に中断し、梅雨入り前の6月1日に1度実施。大和さんの両親は中断後も独自に捜し続けて7月24日に車体を発見した。