「江島屋怪談」を披露する桂歌丸さん=11日午後、東京都千代田区の国立演芸場、川村直子撮影
腸閉塞(へいそく)で入院、退院後も自宅で静養していた落語芸術協会会長で落語家の桂歌丸さん(79)が11日、東京の国立演芸場であった8月中席(なかせき)「桂歌丸噺家(はなしか)生活六十五周年記念公演」に出演した。ライフワークの三遊亭円朝作品に取り組み、おどろおどろしく「江島屋怪談」を披露した。満席の約300人の客が熱演に耳を傾けた。中席は20日まで続く。
落語家の桂歌丸さん退院 11日の8月中席から復帰
歌丸さんはマクラで「まさか2年連続で同じ月に同じ病気で入院するとは思いませんでした。医者が太って下さいと言うんですが、あたしに太れっていうのは無理だって」と噺した。
「江島屋怪談」は、古着屋の江島屋からのりで貼り付けた粗悪品の花嫁衣装を売りつけられたため、婚礼中に衣装の腰から下が取れてしまい、花嫁が身投げをする。母親である老婆の呪いで江島屋は没落する。歌丸さんは扇子を手に五寸釘を打つふりをしながら「おのれ~、ガツンガツン」「うらめしや~、江島屋」などと、すごみのある迫真の50分間の語りで魅了した。
中席の途中に行われた座談では…